キャリアアップ助成金について解説!

キャリアアップ助成金とは

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

 

キャリアアップ助成金の種類

(令和5年度)

  1. 正社員化コース
  2. 障害者正社員化コース
  3. 賃金規定等改定コース
  4. 賃金規定等共通化コース
  5. 賞与・退職金制度導入コース
  6. 短時間労働者労働時間延長コース

 

キャリアアップ助成金「正社員化コース」について

正社員化コースは、非正規雇用労働者を正社員化した場合に助成金が支給されます。

正社員化コースの対象となる労働者は、有期雇用労働者、無期雇用労働者、有期派遣労働者、無期派遣労働者です。

人材開発支援助成金の訓練を修了した有期雇用労働者なども対象となります。

正規雇用労働者として雇用する前提で雇った有期雇用労働者は対象外です。

また、助成金を申請する事業主は対象となる労働者に対して、正社員化後6か月間の賃金が正社員化前6か月間の賃金と比較して3%以上増額するなどの条件があります。

 

正社員化コースの支給金額

有期雇用労働者から正規雇用労働者に転換した場合、中小企業は57万円、大企業は42万7,500円となります。

無期雇用労働者から正規雇用労働者への転換時には、中小企業に28万5,000円、大企業には21万3,750円が支給されます。

 

キャリアアップ助成金「正社員化コース」申請の流れ

キャリアアップ計画書の作成、提出⇒就業規則の改定⇒就業規則等に基づく正社員化⇒正社員後6か月の賃金の支払い(正社員化前と比較して3%以上の賃金増額が必要)

キャリアアップ計画書の作成・提出

キャリアアップ計画書とは、有期雇用労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取組みイメージ(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記載するものです。

必ず、取組(正社員への転換)の実施日の前日までにキャリアアップ計画の作成・提出が必要です。

 

就業規則の改定

就業規則の改定のポイント

  • 正社員転換の手続き、要件、転換または採用時期(面接試験や筆記試験等の適切な手続き、要件(勤続年数、人事評価結果、所属長の推薦等の客観的に確認可能な要件・基準等をいう。)および転換または採用時期が明示されているもの。)を必ず規定する必要があります。(口頭による明示では認められません。)

 

  • 「正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等」が適用されている非正規雇用労働者の正社員転換が必要となります。対象となる労働者要件として、賃金の額または計算方法が「正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者となるように規定する。

基本給、賞与、退職金、各種手当等については、いずれか一つ以上で正規雇用労働者と異なる制度を明示的に定めていれば(基本給の多寡や賞与の有無等)支給対象となり得ます。

 

  • 「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正規雇用労働者への転換が必要になるので正規雇用労働者の就業規則には必ず規定する。

 

  • 適用される雇用区分の就業規則等において契約期間に係る規定がない場合は、転換前の雇用形態を無期雇用労働者として取り扱われる為、契約期間に係る規定を必ず設ける。

 

※あくまでポイントでその他にも詳細を確認する必要があります。

 

就業規則等に基づく正社員化

転換ルールに(正社員転換の手続き、要件、転換または採用時期)に基づき、賃金の算定方法および支給形態、賞与、退職金、定期的な昇給、所定労働時間等を元に雇用契約書を作成し従業員と契約書を交わし正社員へ転換する。

 

正社員後6か月の賃金の支払い

(正社員化前と比較して3%以上の賃金増額が必要)

 

3%アップの注意点

賃金が3%以上増加していることの確認にあたっては、正社員化前後の諸手当を含めた賃金総額について比較しますが、以下は名称を問わず賃金総額に含めることができないためご注意ください。

以下の手当以外の諸手当についても、その趣旨等に応じて算定から除かれる場合があります。

  • 実費補填であるもの(通勤手当、住宅手当等)
  • 毎月の状況により変動することが見込まれる等、実態として労働者の処遇が改善しているか判断できないもの(時間外手当、※固定残業代、歩合給等)
  • 賞与

 

※固定残業代が基本給に含まれている場合は、固定残業代に関する時間数と金額等の計算方法、固定残業代を除外した基本給の額を就業規則または雇用契約書等に明記しないといけないです。固定残業代の総額または時間相当数を減らしている場合(固定残業代を廃止した場合も含みます)であって、かつ転換前後の賃金に固定残業代を含めた場合に、賃金が3%以上増額していない場合、支給対象外となります。

 

支給申請期間

正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内に申請してください。

 

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