知っておきたいSOGIハラスメント

近年、多様性(ダイバーシティ)という言葉やLGBTという言葉が学校や社会などのあらゆる場面で注目を集めるようになり、段々と職場においてもそれらの言葉や意味などが認知されるようになったのではないでしょうか。

一方で、SOGIという概念もありますが、SOGIやSOGIハラスメントについては初耳という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、職場において知っておきたい「SOGI」、「SOGIハラスメント」について、解説していきたいと思います。

SOGIとは

SOGIとは、Sexual Orientation and Gender Identityの略で「性的指向と性自認」という意味です。

性的指向とは、自身の恋愛や性愛がどの性別に向くかということです。

例えば、その対象が異性であったり同性であったり、またいずれにも当てはまらなかったりという概念のことを指します。

よく、性的嗜好とよく誤解されますが、性的嗜好は人の体の部位でどこに性的な魅力を感じ、興奮するかといった好みいわゆる「○○フェチ」というような意味あいですので、両者の意味あいはまったく異なるものになります。

また、性自認とは、自分の性別をどのように認識しているかを指します。

例えば、自分が男性か女性か、はっきりと自覚できる人もいれば、身体的な性別と性自認が異なり違和感を持つ人、自身の性別をはっきりと決められない人もいます。

というように客観的に性別が男性でも、自分が女性であると性自認をする人やまたそれと逆の性自認をする人もいます。

SOGIとLGBTの違い

LGBTがセクシュアル・マイノリティー当事者、特にレズビアン(女性の同性愛者)、ゲイ(男性の同性愛者)、バイセクシュアル(男女両性愛者)、トランスジェンダー当事者のことのみを指すのに対し、SOGIはすべての人をその対象にしているので、SOGIはLGBTよりも広い概念となります。

参考としてですが、LGBTとは、以下のそれぞれ言葉の頭文字からなります。

L: Lesbian (レズビアン) 女性同性愛者のこと
G:Gay(ゲイ) 男性同性愛者のこと
B:Bisexual(バイセクシュアル) 両性愛者のこと
T:Transgender(トランスジェンダー) 性自認と生物学的性別が一致しない者のこと
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SOGI・SOGIハラスメントが注目されている背景

2019年にパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が成立しました。

この法律は企業が雇用管理上取るべき措置を明記したもので、関連するパワハラ指針にはSOGIについてもハラスメントにあたると明記されました。

このなかにはセクハラ、パワハラに加え、SOGIハラに関する相談窓口の設置を企業に義務付けており、相談に対して適切な対応を取ることを求めています。

また、社会における多様性の進展や国際的な影響も大きく関与しています。

なお、上記における社会の要請に対応しないと、人材の採用や定着に大きく影響するということもあり、グローバル企業はもとより、徐々に日本における中小企業にも対応が求められています。

SOGIハラスメントを防ぐため

それではSOGIハラスメントを防ぐためには、どうしたらいいのでしょうか。

まずは、職場における社員に対する教育や意識の向上がなにより必要です。

性別や性的指向に関して多様な価値観があることを理解し、互いに尊重することが大切です。

1. 教育と意識の向上

  • 多様性教育の実施

新入社員や全社員向けに、SOGIハラスメントや多様性に関する教育を定期的に行い、社員による自分の言動・行動に対して意識をしてもらうことが期待できます。

2. 就業規則等の整備と運用

  • ハラスメント防止規程の強化

企業の就業規則等において「SOGI」に基づく差別やハラスメントを明確に禁止し、その規程に従った対応を強化することが必要です。

規律に違反した社員については、注意や指導などの教育的な措置を取ることが一般的ですが、重度のハラスメントには懲戒処分を検討することもひとつです。

規程にはSOGIに関連する不適切な行動の具体例や、違反した場合の処罰についても記載しておくと効果的といえるでしょう。

  • 相談窓口の設置

企業において、SOGIに関する問題を抱えた社員が安心して相談できる窓口を設置することも重要です。

これにより、被害者である社員が早期に被害を報告できるようになり、企業としても問題が複雑化する前に対応することが可能となります。

なお、匿名で通報できる方法や、専門のカウンセラーや相談員が対応する窓口を設置することが有効です。

  • 再発防止策の策定

ハラスメントを受けた社員への支援だけでなく、同じような事例が再発しないように、改善策を講じることが重要です。

これには、チームや部署全体への再教育や、職場環境の見直しが含まれます。

3. リーダーの表明

  • リーダーの表明

企業のリーダーが「SOGI」に関する経営理念やビジョンを表明し、全社的に「SOGI」を経営課題として捉えることで、全社員にポジティブな影響を与えることができます。

これにより無意識化で行われる「SOGIハラスメント」に関する言動や行動を防止することが期待できます。

4. パートナーシップと外部支援の活用

  • 外部団体との連携

ハラスメント対策を専門とする外部団体(弁護士、社労士)と連携し、企業としての取り組みを強化することができます。

これにより、外部の専門家によるアドバイスを受けたり、社員のための研修を依頼することができます。

  • 社外リソースの提供

社員に向けたサポートとして、カウンセリングやメンタルヘルスケアを提供するために、医師などの外部の専門機関と連携するのも一つの方法です。

特に4つ目のとおり、外部の専門家を活用することで社内リソースが乏しい企業においても「SOGIハラスメント」の問題に対し的確な対応をすることが期待できるので、社内だけなく社外リソースを活用することをおすすめします。

最後に

以上、「SOGIハラスメント」について解説してきました。

現在、「SOGIハラスメント」への対応が重要視される背景には、主に法的規制の強化、社会的な価値観の変化、企業の社会的責任(CSR)、SNSの普及が要因と解説しました。

企業にとっても、SOGIに対する適切な対応は、人材採用や人材定着が重要視される昨今においては、法的リスクや企業の評判を守るために欠かせないものとなっており、早急に取り組むべき課題といえるといえます。

社会保険労務士法人ベスト・パートナーズでは、「SOGIハラスメント」に関する対策支援を行っておりますので、ご興味がございましたら是非お問い合わせください。

 

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