勤務間インターバル制度ってなに?

「長時間働けば成果が出る」という時代は終わりを告げました。

従業員の健康確保と生産性の向上は、現代の企業経営における最重要課題です。

そのカギを握るのが、終業から次の始業までに一定の休息時間(インターバル)を確保する『勤務間インターバル制度』です。

欧州ではすでに広く普及し、労働者の疲労回復に劇的な効果をもたらしているこの制度は、日本でも努力義務として導入が推奨されています。

本記事では、この制度がなぜ注目され、どのように従業員の健康維持と集中力・判断力の向上に貢献するのかを解説。

さらに、生産性の向上や採用力強化といった企業側の具体的なメリット、そして導入・運用を成功させるための重要なポイントを徹底的にご紹介します。

勤務間インターバル制度とは

勤務間インターバル制度とは、終業時間から次の始業時間までに一定の休息時間(インターバル)を確保する制度です。

欧州ではすでに義務化されている国も多く、労働者の健康確保と生産性向上の観点から広く普及しています。

日本では義務ではありませんが、“努力義務”として企業に導入が推奨されており、厚生労働省もガイドラインや助成金を通じて普及を後押ししています。

*働き方改革関連法において、労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法)が改正され、勤務間インターバル制度を導入することが事業主の努力義務となりました

そもそも何故導入されるようになったのか・・・!

勤務間インターバル制度が導入された主な理由は、労働者の健康確保と働き方改革の推進です。

近年、長時間労働による健康障害やメンタル不調が社会問題となっています。終業時間が遅くなった翌朝に通常どおりに出勤すると、十分な睡眠や休息を取ることができず、心身に大きな負担がかかります。

特に残業やシフト勤務が多い業界では、休息時間の不足がパフォーマンスの低下、事故・ミスの発生、離職率の上昇などにつながるケースも指摘されています。

働く時間と同じくらい「休む時間」はとても大切です。社員の健康を守るのは会社の責任であり、よりよいパフォーマンスを発揮してもらうための基盤だと考えられます。

勤務間インターバル制度は、そのために欠かせない取り組みの一つです。

◎夜勤や交替制勤務の業界では特に効果が大きいとされています。

一般的なインターバル時間の目安

欧州では11時間以上の休息を義務化している国が多いですが、日本では企業ごとに時間を設定します。
例えば、

  • 11時間インターバル
  • 10時間インターバル
  • 9時間インターバル

などが多く見られます。

ex)終業が22時でインターバルを11時間と設定している場合、翌日の出社可能時間は午前9時以降となります。

勤務間インターバル制度のメリット

勤務間インターバル制度のメリットをご紹介します。

1.従業員の健康保持と疲労蓄積の防止

十分な睡眠と休息を確保できれば、肉体的且つ精神的な疲労が軽減され、健康リスクが低下します。

結果的に長期的な休職や離職を防ぎ、企業全体の安定した運営につながります。

2.生産性の向上

休息をしっかり取ることで、業務中の集中力や判断力が高まり、ミス・事故の発生率を下げる効果が期待できます。

近年の研究により、睡眠不足は生産性低下を引き起こす大きな要因とされており、インターバル制度導入は企業の業績面にもメリットがあります。

3.働き方改革の推進

従業員の健康管理に積極的に取り組む姿勢は、採用力の向上にもつながります。

特に若い世代はワークライフバランスを重視しており、健康的に働ける環境を整えることで企業魅力の向上が期待できます。

勤務間インターバル制度導入のポイントと運用

1.就業規則やシフト運用の見直し

制度を導入する際は、就業規則にインターバルの内容を明記し、残業の扱いやシフト調整のルールを明確にする必要があります。

2.業務量の平準化

繁忙期の業務量コントロールや業務プロセスの改善が求められます。

中には「インターバルを守るために朝の業務が圧迫される」という問題が生じることがあり、適切な業務分担が必要となります。

3.従業員への周知と意識づけ

制度の意義やメリットを説明し、管理職を含めた全員が理解して運用できる体制づくりが重要です。

まとめ

勤務間インターバル制度は、休息時間を延ばすだけの仕組みではなく、従業員の健康を守り、結果的に企業の生産性向上と持続的成長につながる重要な取り組みです。

長時間労働の是正が求められる現代において、企業が積極的に導入を検討すべき制度の一つと言えます。

現在、勤務間インターバル制度は努力義務ですが、労働者の健康確保から義務化が検討されており、近い将来、法改正が成されるかもしれません。

企業が従業員の健康と働きやすさを重視する姿勢は、これからの組織作りに欠かせない要素です。

健康な状態で仕事に向き合える社員が増えるほど、職場に良い空気が生まれ、チーム全体の士気も上がると考えられます。

勤務間インターバル制度を活用し、従業員が安心して働ける環境を整えることで、企業としての競争力向上にもつながっていきます。

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